朝比奈さんの器は気取ったところがない。ウサギにカメや金魚にメダカ・・などなど、どこか微笑ましい題材を選んで、お皿はキャンバスになることも。見て飾って使って楽しめます。使い易く親しみを感じるから出番が多い器です。

♪日々好音の穀蔵空間で薫り高い神戸萩原の炭火焙煎コーヒーを♪
年末から正月、しばらく天候は穏やかで雪も少なく楽でしたが、ここにきて最低気温が―5°を下回るようになり、朝は布団からなかなか離れられなくなってきました。冬の楽しみはスキーでしたが、三年前の怪我の記憶がまだ消えず今年もお預け、身体は大丈夫なので後は気持ちの問題です。FUJIIさんのジオラマから伝わってくる楽しい雰囲気を見ながら、来年はと期待しています。ジオラマは屋根に積もった雪が氷柱になって垂れ下がっているところや、雪かきした後の状態などを見事に表現して質感豊かな出来映えです。
コーヒーを淹れながら、お客さんと話をしながらも、いいプレイだなあ!誰かな・・?と思うときがあります。その時フッと耳に入ってきた演奏は、このレコードを掛けてみようとの思いで聴くときとは、違った驚きと感動があります。昨日そんな風に感じたプレイが二つあり、いずれもズート・シムズでした、偶然にも。
一枚目はジョン・アードレイ名義の「THE JON EARDLEY SEVEN」全員が歌心あふれる演奏をするこのアルバムは以前から好きでしたが、昨日はどうしたことかスウィンギーでドライブの効いた、ズートの乗りのいい快調なプレイにすっかり魅せられてしまいました。
二枚目はカーティス・フラー名義の「SOUTH AMERICAN COOKIN'」
ズートはアップテンポの「WEE DOT」で力強くドライブしています。張りのあるウッドベースのジミー・メリット。快適なリズムを送るデイブ・ベイリー。弾けるようにメロデアスな美しいピアノのトミー・フラナガン。しっかりと息のあった三人のリズム・セクション。そして「AUTUMN LEAVES」のリラックスしたプレイも素晴らしい。
デッカ「デコラ」はBUDの宝物。古いSPから新しいレコードまで(但しモノ)なんでもよく鳴ります。つい最近使われているスピーカーコードを古い単線に換えてみました。ところがどうでしょう、高音がきつく、堅くてうるさい音になってしまいました。換えた理由はオリジナルがビニール被膜だったからです。ビニール被膜のコードは音が良くない!と頭で決めた先入感があって、いつかは換えてみたいと思っていました。しかし結果は全く裏目に出ました。安心して音を聴いていられないのは、落ち着かないことこの上なしです。さらに悪いことに、オリジナルのコードを捨ててしまったのです。ああなんということを、と思っても時既に遅し。覆水盆に返らずです。そんなこんなで居ても立ってもいられず、取り敢えず単線は外し、布被膜の撚り線にしてみましたが、多少の改善は見られたものの、「デコラ」オリジナルの音には復しません。ビンティージ・オーディオはそれが創り出された当時の完成度が、コード一本によって歪められ、バランスが崩れてしまう、ということが本当によくわかりました。オーディオはトータルバランス。
mousou