テレビ中継の「なでしこジャパン」記者会見をみました。協会幹部、監督、主将、そして全員のコメントを聞いていて感じたことは、みんないい顔で話す言葉遣いに無駄なく余計も無く、適切かつ簡潔で大変気持ちのよいものでした。破天荒な偉業を成し遂げた気負いもなく、気持ちのままに自分の言葉で話す「なでしこ」たちの口調は、なんと一人一人がしっかりとした「おとなのおとめ」であったことか。「和」とは従順に忍従し忍耐を強いられるものではなく、自立した一人一人が自分の役割を自覚し、その全員が信頼の下に手をつなぐ「輪」を作らないと、「和」という総力を発揮するチームは出来上がらないと、そう教えられたように思いました。日本の土壌から、このチームが持っている今までにない質の高い気持ちの良さはが生まれてきたことに、この「なでしこの和」という希望種がしっかりと根付いて、日本のタテ社会が少しづつ変容していくのではないかという、淡い期待を込めた予感さえ懐きました。最も多く出てきた「感謝」の言葉。成果を上げた自分を支えてくれた人々に捧げたこの言葉に込められた謙虚さとけなげさ。組織は嘘偽り無き本音の「感謝」を持たなければ、優秀という傲慢な頭だけの心のないものとなってしまう。上目線の感謝要求組織になってしまう。それはハッピーを産まない。