ジャズ喫茶をやっているからといって、
ジャズばかり聴いているわけではありません。
いいなあと感じ、面白いなあと思うものは何でもござれです。
僕はコルトレーン世代、その時分は分かろうが分かるまいが、
したがって分からないまま、しゃにむにひたすら
ジャズなるものに向かい合っていました。
1965年から1975年頃までのことです。
分からないながらも50年以上聴き続けてきたのは自分でも不思議です。
どこか心にある空白を他ではないジャズで埋めていたのかもしれません。
しかし、年を取り最近は若い頃聴かなかったものを聴くようになりました。

それはまず老若問わず未知なる分野への好奇心から始まるものです。
若い頃は今様に夢中になるのが成り行きというものですが、
年を取ると今様は自然と離れこちらに近づいてきません。
そこに年取った好奇心の空白は年代を遡り、
歴史と伝統を猟歩し始めるのです。
さあ、1940年代から30年、さらの20年代へ。
心浮き立ついい音楽を聴きに行きましょう。