チャーリー・パットンのしわがれた歌声に、人はグイッと引きつけられる。
酔った呂律はなんとも酒臭いが、のど奥からの響きは太く力強い。
叫ぶような歌い方は荒々しく泥クサイが、
プリミティヴさゆえに聴くものの心を鷲掴みにする。

ブルースはアメリカに連れ去られて来た黒人音楽の源流。
このことをマイルス・デヴィスは端的に語っている。
(ジャズはブルースの伝統の上にあるから)
オレはいつもブルースを演奏している、と。
これは、ブルースとは何よりも心の状態なんだよ、
そうマイルスは言いたかったんですね。