東京都美術館で開催されている「奇想の系譜」展
~江戸絵画ミラクルワールド~を観てきました。
中でも面白かったのは白隠禅師(1686~1769)晩年の達磨。
192x112cmとかなりの大きさです。
強調された面長と丸い眼球、何かを見つめる瞳には威厳を感じます。
やはり目の前のオリジナルには迫力があります。
半面可笑しいと感じたのは髭に隠された口元の様子。
かっと開いた眼の緊張を少しほぐして見えます。
見た瞬間に、ふふふ、となりました。
無造作に纏った着衣は朱で、太く黒い墨で輪郭を施されている。
この絵は普通に言う技巧的なところは何もない。
だからこれはうまい下手で見る絵ではなさそうです。
いってみれば、この絵は達磨という名を借りた白隠禅師の自画像じゃないのか、
師の心境を絵という形にしたもの、僕はそう思って見ました。

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全てがあり、全てが無いのじゃ。