ネリー・メルバを聴きながら、歌声の自然さに、
これは鳥の囀りのようだと、ふとそんなふうに勝手な想像をしました。
言語上で何を訴えているのかわからないど、
締め付けられるような切々さがひしひしと迫ってきます。
もちろん人間と小鳥とは違う。
小鳥は人間が歌うようにさえずっているわけではないし、
人間も通常は小鳥の囀りを真似たり意識して歌っているわけではない。
共通しているのは、囀ったり歌うことで感と情を表現していることです。
メルバの感情表現が作為なく自然なので、天然のさえずりと感じたのだと思います。
何百世代か、人類が感情表現して獲得してきた遺伝的精華、
メルバはそのDNAをもってこの世に出現したのではないでしょうか。

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