木喰上人(1718年~1810年)

今年6月に再放送されたNHK
日曜美術館
「微笑(ほほえ)む仏~柳宗悦が見いだした木喰仏~」を見て、
柳宗悦著「木喰上人」を読み、その仏像が見たくなり、
南丹市八木の清源寺と山古志村の観音堂を訪れました。
像に刻まれた相からは不思議な微笑みが静かに瞑して、
口元の表情と和して見るものを無心へと誘います。

柳さんは大正12年初めて像に出会ったときのことを、
「私は即座に心を奪われました。その口許の漂う微笑は私を限りなく惹きつけました。
尋常な作者ではない。異数な宗教的体験がなくば、かかるものは刻み得ない
-私の直感はそう断定せざるを得ませんでした」と、
極めて印象的に述べています。

木喰上人は仏像とともに和歌も数多く残しました。
“うそをつき うかりうかりと うろたゆる うそがこうじて うかぶせもなし”
いかんせん、身から出たさび。
“わが心 にごせばにごる すめばすむ すむもにごるも こころなりけり”
ちょっとした利己が心をにごらせる。
“かんにんの 二字はすなわち父と母 こころのうちに 常がけせよ”
怒りにまかせ己を失うな。
“念仏に こえをからせど おともなし みだとしゃかとは ひるねなりけり”
声高に甘言が飛び交うがその言に実はない。
“ものしりは いろいろさったの ごたくかな ひとつも われは わからざりけり”
人の心は理屈ではない。。
などなど諧謔に満ちた面白い歌がたくさんあります。
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柳宗悦が初めて出会った木喰上人の仏像「地蔵菩薩」
柳宗悦選集 第九巻より