僕は落語ファンではないけど、古今亭志ん生は大好きです。
理屈抜きの可笑しさの世界、それを志ん生は体現しています。

聞いていて心底面白いと思うのが志ん生の話、話し方。
志ん生の面白さというのは何よりも滑稽であることにつきます。
トンチンカン、間抜け、とんま、アホ、バカを隠すことなく、
恥ずかしいまんま全て丸出しで、これでもかとまき散らす滑稽さ。

そして独特の話し方。流れるような滑らかさとは正反対の。
志ん生の話言葉は流れを進む落ち葉のように引っかかる。
引っかかってはサッと勢いを増し、言葉は生き物のように動く。
詰まりをスルリと抜け出る時のホッとする気持ち、
その一瞬一瞬にこちらの気持ちはぐいと引き込まれる。
企んだ芸ではない即興芸、究極の芸の形、それが志ん生の真骨頂。
こんな話芸を毎回ぶっつけ本番のように名演技できる噺家が志ん生です。

CDがでる前に買った落語のレコード『古典落語名人選』
「妾馬」が抜群の面白さで聞かせます。
お殿さんとの酔狂なやりとりは志ん生の人間性あふれる生き方そのもの。
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