引き続きSPレコードについて。
オーディオでも電気を使わない蓄音機でのSPレコード再生は趣味性が高いですね。
10吋だと片面3分、12吋でも5分位ですから、針を下ろすとあっという間に終わります。
 片面が終わる度毎に毎回、針(鉄、竹、サボテン)を交換しなければなりません。
大変な手間ですし、演奏が中断するので音楽の流れが止まってしまいます。
昔はこうしてSPレコードを聴くのが当たり前でした。
では今はどうかというと、SPレコード演奏会で原盤、鉄針、クレデンザなどが揃えば、
電気を通さない音は生々しい迫力と臨場感に圧倒されてしまいます。
実際その音の音楽性はどうかというと、
特に歌は蓄音機の前に立って歌っているかのように聴こえます。
こうした得難い経験をもたらしてくれるので、蓄音機で聴くSPレコードは、
生の音に最も近いこれ以上のオーディオはないと言えるかもしれません。
しかし、僕は普段にSPレコードと蓄音機をもっと気軽に楽しんでいます。
どうしているかというと、SPレコードはそのまま再生するすることもあるし、
SPレコードの代用として復刻したLPやCDを積極的に聴いています。
その場合、蓄音機は本来の使い方をしないで、サウンドボックスの代わりに、
電気再生の小型スピーカー(ソガフォン)を取り付け、
蓄音機の拡声スロートをホーンスピーカーとして使います。
これがまあ不思議、機械式録音の音はHMV101、
電機録音の音はHMV102で帯域がピッタリ、何の違和感もありません。
低音が欲しいときはHMV163かRCAフラワーボックスで聴くこともあります。
1950年に近づけばLPとそうかわらない印象なのでJBLのD208にします。
トランジスタアンプでSPレコードの音は再現性を大きく損なわず再生できています。
いちいち針交換の手間要らず、ゼンマイを巻くこともありません。
もちろん3分で盤を交換する頻雑からも解放されます。
プレーヤーのカートリッジはGEヴァリレラ、SPとLPはヘッドがターンオーバー式。
こんな工夫をしてSPレコードの音楽をメディア問わずに聴いています。