音楽はレコードからCDから、魔法の箱を開けたように出てくる。
姿かたち色見えず、匂いもしないで耳に響く。

その響きの良し悪しはレコード次第とばかり思っていたが、
今日はその考えを少し改めた。

聞いたレコードはサヴォイSPのチャーリー・パーカーを復刻したソニーのLP。
今までは上手く鳴らなかったので、レコードのせいにして仕舞い込んでいた。
ところが、今日鳴らしてみたらパーカーがビビッドに聞こえるではないか!
JBLランサー101を由緒不明のフィールド型SPに替えただけなのに、
(52番街の何処かのカフェで鳴っていたような雰囲気の音)
パーカーが眠りから覚めたように演奏が生き生きと聞こえる。
このスピーカー、ランサーより音圧が高く中域が前に出てくる。
その結果40年代のSPの音に近くなり、レコードに入っていた音がより忠実に出てきた、
と言えるのではないだろうか。
再生とは、前と同じように生まれることだから、
できるだけ前と同じ条件を調えることで、同時代のハイファイになる。
ということにあらためて気付かされました。

今でこそ、録音年代と同時代に近いスピーカーで再生を心がけているものの、
以前は時代マッチングで聞いていなかったので、随分と聞き損なっていたと思います。

追記 カートリッジはGEヴァリレラのモノです。