1958年に録音のマスターテープから作ったレコードの音は、
その後リマスターを繰り返すたびに劣化していきます。

概して音は軽く生気(精気)が薄れます。
理由はテープの劣化、リマスター機材の違い、レコードの材質などがあります。
この点にオリジナル盤が尊重される所以があります。

オリジナルマスターテープの録音から20年30年以上経て復刻されたCDは、
再発レコードの音質と同じ運命に加え、音域上の宿命があります。
そこで僕が言いたいのは、再発盤そしてCDはオリジナル盤と比較しないということです。

CDの音をレコードのように聞きたいというのであれば、
再発盤を基準とした方がよかろうと、オリジナル盤の生々さは所詮無理だと思うのです。

再発でもレコードの音は優しく和みます。
お堅いCDもその辺りを目標にして再生できたらと思います。

それには先ず、なんといっても世評を参考に、
再生機材の選定から始めるのが早道かと。
それにしても、現行機材と比較し現在の環境の中でどう変わるのか、
きついCD君を優しい性格にするのは簡単ではなさそうです。