小布施のジャズ喫茶 BUD

♪日々好音の米蔵空間で薫り高い神戸萩原の炭火焙煎コーヒーを♪

ジャズレコード

ジャズの醍醐味 トミフラ「オーヴァーシーズ」

トミー・フラナガントリオの「オーヴァーシーズ」は
紛うことなくジャズの醍醐味を聴かせてくれる。
小気味よくスウィングするトミフラの心地よいピアノ。
脇を固めるリトルの分厚いベース。
そして縦横無尽、思いのまま奔放にブラシを振るうエルビンのドラム。
これはもう実にスリリングなライブ感覚に浸るような気持ちになる。
エルビンがブラシワークで叩き出すビビッドな躍動感は、
底知れぬパワーを秘め、時にマグマのように噴き上がり突き上げる。
ブラシが生き物のようにドラム上を跳ね踊り、
そして叩かれ弾かれた音もまた、
生き物のように地を這い空中で舞う。
かと思えば、エンディングにシンバルが震える繊細さはどうだろう、
エルビンの息遣いが音になって聞こえてくるようだ。
ドラムから命ある音を引き出せたのはエルビンをおいていない。
ジャズが第一級の芸術であることは、このアルバムを聴けば肯けると思う。

 

こういう音を鳴らしたい

「いい音を求めて」昨日はオーディオの好きな二人が
盛んに真空管など部品の話しをしていた。
話しは聞こえても知識がないから加わらないで
黙って聞いていただけだったが、
ユタ・ヒップの「ヒッコリー ハウス」(Lexington盤)をかけると
聴き入って、今までここで聴いたレコードの音で
一番ビックリした。と、そういうので、いつも聴いているという
TOSHIBA盤をかけてみたが、音の違いに唖然愕然とした。
「いい音を求めて」何をすべきか・・・・
その方法や手順はいろいろで人様々であろうが、
レコードによる音に違いに、改めて「いい音」を求めて、
「オリジナル」を求める意義を思った。

「最高の芸術はね、ただうまく弾けることからは生まれない。
自分がこういう音を鳴らしたい、と思うことからしか生まれないよ」
と、日下紗矢子(ヴァイオリニスト)に恩師の清水高師先生は諭した。
これは'13.9.30号のAERAに載っていた記事。
「こういう音を鳴らしたい」という気持ちは、音楽家も
オーディオファンも変わりはないんですね。

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ウィントン・ケリーを聴きたけりゃ

ウィントン・ケリー(1931.12.2~1971.4.12)を聴きたいときは、
ズバリ「ブラックホークのマイルス・デイヴィス 1961.4.21
実録(ライブ)ものの臨場感に躍動する素晴らしいスウィング感は胸をすく。
クリーンなタッチによる歌心あふれるプレイの連続をよくぞ記録してくれました。
絶好調ノリノリのプレイにマイルスもニコニコしながら、
ソロプレイの時間をたっぷり与えているように思われてならない。
ついついボリュームは上がりライブは正にリアルタイム。
レッド・ガーランドを嚆矢にして、マイルスクインテットの、
モダンジャズクラシック最良のスタンダード最終盤の感。
ケリー生涯最高のパフォーマンスここにあり!
それにジャケットのカッコイイこと。

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巨人で終わり、蕾で始まる。

2012年は巨人「Colossus」で終わり、2013年は蕾「Bud」で始まりました。

12月30日、最後にソニー・ロリンズ「サキソフォン・コロサス」
を聴いて終わり、「やっぱり大きな音で掛けるといいねえ」と、
皆さんは満足そうに「では、よいお年を」と、別れを告げ帰られた。
例年になく皆さんと共に最後の一枚を聴いたので、
これは思い出に残ったなあ。

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このレコードは、バドのお宝レコード。
ラベルのアドレスは446 W.50th ST.,N.Y.C.
アドレス自体はめずらしいものではありませんが、
この盤はフラットエッジで、プレステッジの12吋LPとしては、
ちょっと珍しいのではないかと思います。

そして、2013年の最初のレコードはバド・パウエル。
こちらは10吋オリジナル。

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一番好きなバドのレコードであり、これもバドのお宝。
この10吋盤をよく掛けるのは音の雰囲気が好きだから。
しっかりとしたクセのない音で抜けのある響きがいいんだなあ。
ここに収められている曲の中では「BODY AND SOUL」のソロ。
シミジミとした魅惑的な美しさをホレボと聴き入ります。

12吋盤タイトルは「ジャズ・ジャイアンツ」5曲多い13曲収容。

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レコード再生の楽しみ

レコードの溝に入っている音楽を
最良の音で再生したい!
そのためには、どんな再生機器がいいのか?
これは未熟者の不完全な試み・・・の一端デス。

さて、レコードの再生はウマクいくととても楽しいものです。
僕のウマクとは最善最良を求める努力の結果ではなく、
とりあえず手持ちの製品を取っ替えながら、
この組み合わせが一番いいな、といった程度のものなのですが。

最近はこんな試行を簡単ですがやってみました。
さて、この2枚のレコードから最良の音を引き出すには・・・と思いながら。
「THE BUD POWELL TRIO」 ROYAL ROOST
RLP401  RLP412  共に10吋オリジナル

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これを再生するにあたって使用した機器。
①ターンテーブル「コリンズ16吋テーブル」
②アーム「オルトフォンS212」
③カートリッジa「オルトフォンSPU-Aモノ タイプC」
    カートリッジb「オルトフォンSPU-Aステレオ」
④昇圧トランス「ウエスタン618B」
⑤スピーカーa「RCAフィールドタイプ20cm+電源アルテック」
    スピーカーb「JBLランサー101」

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換えられるのはカートリッジとスピーカー。
結論からいうと、ベストだったのは次の組み合わせでした。
◎カートリッジはSPU-Aモノ タイプC。
ステレオと比べ
1.音の重心が低い。
2.高音のノイズが押さえられる。
3.音が前に出る。
4.レコードの溝幅と針の太さ合っている。
◎スピーカーはフィールド
1.音の芯が強く輪郭が崩れない。
2.中音域が充実して張りがある。
3.音の粒立ちがしっかりしている。
4.演奏に臨場感がある。
5.レコードに入っている音域とスピーカーの再生音域が合っている。
といった特質が再生音に聴かれました。

実はこれを書いたのも、上記のチョイスで「I'LL REMENBER APRIL」が鳴り出した瞬間、
思わず軽い身震いと共にちょっと鳥肌が立った!からでした。

それ以上というか、これも特筆したいのがSP音源で復刻したCDを
フィールド・スピーカーによって再生したときの音のよさ。

チャーリー・パーカー『バード・シンボルズ』

CHARLIE PARKER 『Bird Symbols』
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これは数あるバードのレコード中、正に“バード・シンボルズ”の名の通り、
傑出した内容を持ったアルバムです。
僕が好きなのはB面4曲のスタンダード・ナンバー。
8. Embraceable You
9. My Old Flame a
11. Out of Nowhere
12. Don't Blame Me
いずれもスロー・バラードの名曲ですが、
こうした曲の演奏にこそプレイヤーの真価が問われます。
人間として音楽家としての資質が、時空を越え顕れるからです。
そこにはジャズだクラシック、ポピュラーといった垣根はありません。
いい音楽とそうでないものとがあるだけです。

リクツを超えた音楽の美しさが響く“バード・シンボルズ”は
正にジャズ・ミュージックの世界遺産といえましょう。

曲目
1. Moose the Mooche
2. Yardbird Suite
3. Ornithology
4. A Night in Tunisia
5. Bird's Nest
6. Cool Blues
7. Bird of Paradise
8. Embraceable You
9. My Old Flame a
10. Scrapple From the Apple media
11. Out of Nowhere
12. Don't Blame Me

演奏者・録音日
◆1.2.3.4   〈1946.3.28〉
Charlie Parker (as)
Miles Davis (tp)
Lucky Thompson (ts)
Arv Garrison (g)
Dodo Marmarosa (p)
Vic McMillan (b)
Roy Porter (ds)

◆5.6    〈1947.2.19〉
Charlie Parker (as)
Erroll Garner (p)
Red Callender (b)
Harold West (ds)


◆7.8.9.10.11.12    〈1947.10.28〉
Charlie Parker (as)
Miles Davis (tp)
Duke Jordan (p)
Tommy Potter (b)
Max Roach (ds)

ジョー・パス『ワン・フォー・マイ・ベイビー』

ジョー・パス『One for My Baby』 パブロ 2310.936
録音;1988.12.28  ハリウッド

先ずはジャケットをご覧あれ。
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いいでしょう雰囲気があって。
カウンターでグラス片手に頬杖をつきながら、
目を閉じるとブルースが聞こえてくる・・・

1. Bluesology
2. One More For My Baby (And The Road)
3. J.P. Blues
4. Poinciana
5. (I Don't Stand A) Ghost Of A Chance With You
6. I Remember You
7. Bay City Blues
8. The Song Is You


そしてメンバーの顔ぶれと録音時の年齢は。
Bass – Andy Simpkins  56歳

Drums – Tootie Heath  53歳

Guitar – Joe Pass  59歳

Piano – Gerald Wiggins  66歳

Saxophone [Tenor] – Plas Johnson 57歳


プラス・ジョンソン?はてな、聞き覚えはあるんだが・・・
そういえば、こんなアルバムがありました。
R-150-3676578-1340005553-4707
アーシーな音色でフェイクするプレイはいささか単純で、
モダンさとイマジネイションに欠けるきらいがありますが、
スウィンギーでムーディーなダンスバンド・テナーです。

しかし、二流の脇役?も役割に徹し、主役とメンバーが
よければ、そのプレイはグループのバランスを崩すことなく
聴くことができる。そうなっていることが、『One for My Baby』を
評価する大きな要素になっています。
どちらかというと地味な演奏かもしれませんが、
キャリアを重ねたベテランならではの深い味わいが、
一人一人のプレイから、バンドのサウンドから心地よく響いてきます。

マイルス・デイヴィス『MILES DAVIS vol.2』

マイルス・デイヴィス『MILES DAVIS vol.1』Blue Note BLP1502

B面最後5曲目「it never entered my mind」が始まると今までの雰囲気がガラッと変わり、
その旋律が胸の内に揺揺と迫っくるのです。
1954.4.20録音
マイルス・デイヴィス(tp)
ホレス・シルヴァー(p)
パーシー・ヒース(b)
アート・ブレーキー(ds)

これはマイルスの個性、叙情性が遺憾なく発揮されたラブバラードの名曲名演。
出だしの一音でマイルスは聴くもの心を奪うように引き込みます。
「nature boy」もそうですし、「you’re my everything」もしかりだなあ。
それらは「なんも言えねえ」くらい“アマズッパイ”のです。
プレイは照れずニヤケズ易くならず、いい塩梅の“三杯ズ”

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マイルスは『Workin'』プレステッジPR7166でもこの曲を再演しています。
1956.10.26録音
マイルス・デイヴィス(tp)
レッド・ガーランド(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

2年半後、リズム・セクションは変わっても、
マイルスはこの曲の真髄である叙情性を見事に奏でています。
時代が経て社会がどうあっても、人が人を思う心に変わりがないように。

ジョニー・グリフィン『you leave me breathless』

ジョニー・グリフィン『you leave me breathless』ブラックライオン1967年ライブ録音
メンバー:ジョニー・グリフィン(テナー・サックス)
       ケニー・ドリュー(ピアノ) 
      ニルスヘニング・オルステッド・ペデルセン(ベース)
      アルバート・ヒース(ドラムス)
サイド1:1.RHYTHM-A-NIGH
             2.OLD FOLKS
             3.WEE
サイド2:1.YOU LEAVE ME BREATHLESS
             2.LEAVE ME BRETHLESS

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ジョニー・グリフィンは、1956年録音のブルーノート盤『INTRODUCING』
という最初期のリーダーアルバムを超える作品を作ることが出来なかった
のではないか、と僕は思っています。

さて、『you leave me breathless』に戻りますが、このアルバムも
『INTRODUCING』同様、素晴らしいリズム・セクションをバックに、
グリフィンはワンホーン・カルテットで伸び伸びアドリブ演奏しています。
良いアルバムは、A面の1曲目の出来にかかっていることが多いものですが、
本アルバムはB面1曲目。「you leave me breathless」を先ず聴いてみて下さい。
ケニー・ドリューのピアノで始まり、豪快にして繊細なグリフィンの
“ブレス”を聴くことが出来ます。
そしてケニーのピアノタッチ、
その音色に思わず「美しいなあ」と耳を奪われることでしょう。

グリフィンとケニーでは、ドン・キホーテとドルシネーアの組み合わせを
思わせないこともありませんが、ケニーのタッチに応えるかのように、
グリフィンは太く逞しく、ときにアナーキーなブローを垂れ流すことなく、
全曲いい意味での緊張感を保って吹ききっています。

ペテルセンのベース、ヒースのドラミングもグリフィンの緩急強弱自在で、
ウネウネとしたブローイングテナーと呼吸が合ったバッキングでサポートしています。

ちなみに『INTRODUCING』のリズム・セクッションは次の通りです。
ウイントン・ケリー(ピアノ)
カーリー・ラッセル(ベース)
マックス・ローチ(ドラムス)


ズート・シムス『チョイス』

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『CHOICE』は二つのセッションをチョイスしたアルバム。
一つは(A面)ジェリー・マリガンがリーダーのライブ(1954年12月録音)、
もう一つは(B面)シムスがリーダーのワンホーン・カルテットで構成(1959年3月録音)。

A面はボブ・ブルックマイヤーのピアノがシムスとマッチし、
スムースにスウィングしていて、ライブならではのハツラツさが
気持ちいいゴキゲンな演奏です。
今日でも『TOKYO JAZZ』でこんな演奏が聴かれたら最高!
ジャズの60年前は、ホンの昨日の演奏といって何の違和感もありません。

B面のピアニスト、ラス・フリーマンはブルース・フィーリング溢れる白人のバッパー。
ここでも、そのパフォーマンスを遺憾なく発揮したプレイに魅せられます。
適度な重さを引きずりながら軽やかにスウィングする個性に。
モンティ・バディグのよくスウィングする太いベ-スも聴きものです。
グループ全員のプレイをスウィングさせていて見事。
解け合ってじゃまにならない存在感と素晴らしさに「イェー!」

A・B面とも絶好調のズートが存分に楽しめるアルバムです。
あなたも今日はこれを『チョイス』してよかった、と思うことウケアイです。(笑)

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