チャーリー・パーカーの音楽が疲れた体を癒すように入ってきた。パーカーがぐったりと疲れた体と頭にうるさくないなんて!エッ、どうして?その時、意外と不思議が入り交じった感じがしてオヤッと思った。その時というのは、ニューヨーク往きのコンチネンタル航空機内でのこと。備え付けの娯楽メニューでパーカーのヴァーヴ盤CD「エッセンシャル」を選び、イヤーフォンから音が耳に届いた瞬間、パーカーの音色とフレーズがぼくの中に溜まった疲労を中和していくように感じたのだ。芸術家はみな常人とは違った特別な才能を持ち発揮するその道の達人「上手い人」だ。しかしそのような「上手い人」でも、どのようにしたって手が届かない「上手い人」がいる。とらえどころもなく、くらべようもなく「上手すぎる人」。チャーリー・パーカーはそのような芸術家の一人だと思う。
「エッセンシャル」、持っていなかった。持たねば。