セレブレイティング・バード〈チャーリー・パーカーの栄光〉
ゲイリー・ギディンズ著 バベル・インターナショナル訳
ジャズ・ミュージシャン・チャーリー・パーカー(バード) とはどのような人物だったのか。第1章・「バード・リブス」の始めに『ジャズの世界を共通項としてもつ人々―多くのミュージシャン、数名の批評家、熱狂的なファンのグループ―は、彼の演奏によってある種の恍惚感を呼び起こされてた。それは、神秘的なやすらぎともいえる種類のものである』こう記述された短い文章にバードは要約されている。つまり、バードは彼がアルト・サックスを吹くそのサウンドで聴く人の心を浄化することが出来たのである。実に明快なバード像。バードは荘厳なカテドラルを必要としなかった。アパートの一室、居酒屋の片隅において誰とギグしても聴く人に神秘的なやすらぎを与えることができた。この本はさながら写真集のごとく多くの写真が載せられていて、バードの表情がもつ人なつこい顔からは、自ら破滅的悪癖へと歩んで戻らなかった34年の人生を思うことは難しい。
あらゆる入り口がそうであるように、チャーリー・パーカーへの入り口も探し求める者には常に開かれている。ある時の出会いが入り口となり、100人に100の入り口がある。
ゲイリー・ギディンズ著 バベル・インターナショナル訳
ジャズ・ミュージシャン・チャーリー・パーカー(バード) とはどのような人物だったのか。第1章・「バード・リブス」の始めに『ジャズの世界を共通項としてもつ人々―多くのミュージシャン、数名の批評家、熱狂的なファンのグループ―は、彼の演奏によってある種の恍惚感を呼び起こされてた。それは、神秘的なやすらぎともいえる種類のものである』こう記述された短い文章にバードは要約されている。つまり、バードは彼がアルト・サックスを吹くそのサウンドで聴く人の心を浄化することが出来たのである。実に明快なバード像。バードは荘厳なカテドラルを必要としなかった。アパートの一室、居酒屋の片隅において誰とギグしても聴く人に神秘的なやすらぎを与えることができた。この本はさながら写真集のごとく多くの写真が載せられていて、バードの表情がもつ人なつこい顔からは、自ら破滅的悪癖へと歩んで戻らなかった34年の人生を思うことは難しい。

あらゆる入り口がそうであるように、チャーリー・パーカーへの入り口も探し求める者には常に開かれている。ある時の出会いが入り口となり、100人に100の入り口がある。