先日、須坂図書館でちょい読みした「素粒子はおもしろい」は、
著者の「益川敏英はおもしろい」ので借りてきました。
ビッグバンで生まれた時間と空間に散らばった素粒子は
物質の最小単位。と、いうことなんでしょうが、そのお話しは
目を斜めに走らせただけで、難しく頭の隅にも留まりません。
それでも借りてきたのは、難しいお話しの合間に組まれた“コラム”と、
最終第7章-科学の役割と私たちの学び方-だけでも読みたかったから。
そこには機知に富んだユーモアあふれる“小話”が
語られていて、思わず笑い出してしまうので、ぼくは
「益川敏英はおもしろい」として楽しんで読ましてもらいました。
その上に親しみを覚えたのは、益川先生はベートーヴェンがお好きで、
ピアノソナタ全32曲はまんべんなく聴いていると書かれていたこと。
誰の演奏で聴いているのかなあと思いつつ、
僕は大好きな第一番をイーヴ・ナットで聴きながら、
‥ああ、この曲が流れている中、ロッキングチェアーにもたれて、
ガラス窓の外に見える紅葉を眺めつつ、夢を見るように
この世から去って逝かれたらいいだろうなあ‥
などと妄想だけはたくましくしていました(笑)
それはともかく、おもしろかった二重丸は・・その一つに。
◎「自由とは必然性の洞察である」というヘーゲルの言葉を引いて、
科学とはものごとの必然性の追求、こうすればこうなるということの
法則性を確立するのが科学なのです。それは人間により多くの自由を
準備する。“しかしそれをどう使うかは人間の選択にゆだねられている”
先生はそれで万々歳とは言っておらず“泣かせる言葉”だとも。

IMG