冬の散歩は道路に雪がないときに。
歩道のない農道のような所を歩くのでね。
車が来るとやはり怖い。
歩道のない雪道を運転していているときに、
通学の児童学生は別にして、
散歩やジョギングの人を見かけると、
やあ、アブナイアブナイ、
こんな日によくやるなあ、と思ってしまう。
そんな思いまでして歩くのは控えることにしている。

昨日は放射冷却で-8度まで冷え込んで、
夕方まで無風快晴、澄んだ空気に北アルプスが
一層純白に見渡せた。
今朝はそれほどでないけど、歩く顔は霜がついたように冷たい。
天気は下り坂、夜には雪になる予報だ。

「正月から雪がなくて具合がいいやね。このままじゃ済まんけどな。
サラサラならいいけど、湿った雪にゃ重たくてかなわねえ」
午後三時、山田の大湯に入って来る人は常連が多く、
「やあ、ことしもよろしく」といって話をはずませている。
小寒だがこれまでのところ、大方の予想に反し雪は少ない。

夭逝の芸術家には心惜しむ気持ちがわいてくる。
天翔るがごとくの姿はそのまま天に召されてしまった天賦の人。
濁りのない明快で力強いタッチは、広大で凍てついた
暗く重く深いロシアの空気を裂いて響いてくるようだ。
そのピアニストを聴きながら小布施まで歩く。
Rosa Tamarkina(ローザ・タマルキナ)1920~1950

霜の中に一輪淡青のオオイヌフグリが咲いていた

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