チンさんこと鈴木良雄さんがジャズの本を出しました。
タモリが付けた帯のタイトルは“聴けばわかる” 
タモリさんはジャズに解説はいらない派?
そのタモリさん、チンさんの言っていることは“聴けばわかる“ と。

チンさんのベースは“ブン ”と鳴った瞬間、ジャズの音がする。
音楽にはジャンル固有の音があると思う。 
チンさんの音は天性だと思う。習って出せる音ではない。
そんなジャズの音を出せる穐吉敏子さんの音は暗めだが、
チンさんの音は明るい。

さて、選ばれた55枚のアルバムにコメントしたその内容は、
プレイヤーにしてコンポーザーであるチンさんらしく、
素人には気がつかないプロの耳と音楽理論で、
聴き所ポイントをヒョイと掬ったようにわかりやすく教えてくれる。
首をひねるようなヒネッタことはひとつも言っていない書いていない。
それで“へーそうなんだ”と。
これって言うは易いけど本当に難しい。
随所にチンさんの感性と、これまた天性の優しさが織りなす
ジャズ愛に満ちた一冊です。

『人生が変わる55のジャズ名盤入門』 鈴木良雄著
竹書房新書041 1000円
2016年2月11日刊