オーディオとは録音された音を再生すること一般をいいます。
ここではレコード盤再生についてお話します。
音楽鑑賞用の商業円盤レコード制作は約100年の歴史があります。
それに合わせ再生機である蓄音器も同時に作られました。
 音楽の録音と再生は時代の最先端技術であるとともに、
人間が持っている最高度の感性と知性の結晶といえます。
それは今も100年前も変わりありません。
100年前に録音されたSP盤の音は、
100年前の蓄音器の再生音で完結しています。
これ以上のハイファイ(高忠実度再生)はありません。
つまり「オーディオの基本」とは、
録音された時代に合致した再生機器で聴くという事にほかなりません。
古いものには古いものでということなのですが、
古い再生機器に新しい録音のレコードは窮屈(高低域不足)でも許容できます。
ですが、新しい再生機器で古いレコードを再生すると腑抜けて(中域不足)しまいます。
これをわかりやすく料理にたとえて言うと、
高音と低音はダシとスパイス、中音は素材そのものの旨みとなります。
かくして、一つのセットで100年間の録音全てをレコードであれCDであれ、
録音時の音そのままのように再生できないのが、
ハイファイオーディオの悩ましいところです。
さて、蛇足になりますが、ジャズにはJBLがいいとか、
英デッカ盤にはデッカのカートリッジが合っているとかetcは、
さらなるものを求める個々の趣味性になると思います。
とにもかくにも再生された音とどう向き合い聴くか、
それはもう全人格をかけて演奏している音楽家の演奏音の響き、
その波長 に自分の感性が合うか 否かということだと思います。