マサカと思ってはいたのでしょうが、それでもとKさんは半信半疑で、
「バドさん、ピアノを替えた?」と、訊いてきました。
ピアノは替えないけど、ピアノの音を変えたのはジェブさんだった。
確かに!それほど昨夜のピアノは見違えるような音がした。
ピアノを鳴らすチカラ、それはローランド・ハナさん以来のもの。
さすがハナさんの愛弟子、面目躍如たる弾きっぷりでした。
「ハナさんはどんなピアノでも(素晴らしい音で)弾いちゃうのよ」
一恵さんは笑顔でそうコメントしてくれた。

本当にいい演奏会は始まりの一音から引きつけられる。
昨夜も、正に始まりの一音一曲はもとより、
最後の一曲一音にいたるまで、ほぼ2時間を
じっくりと聴き入った。
リズムとメロディーとハーモニーが織り成す深い味わいの演奏は、
その醍醐味を言葉にはできないが、ジャズという音楽が持っている創造性、
芸術性を遺憾なく発揮したものであったことはしかと感じることができた。
ベースの中村健吾さんとの相性もバッチリで良くスウィングするプレイに体が揺れた。

曲目は新しいCDに入っているものを中心に、リクエストに応えてくれた
「ジャンゴ」「マイルストーンズ」、アンコールを含め、
一恵さんのヴォーカルが3曲入った。
アイルランド民謡の「ダニー・ボーイ」、ショパンの「ノクターンNo.13」は、
ジェブさんの中にある民族の血統を受け継ぐ想いが詩情豊かに演奏されて感動した。
一恵さんは緊張していた4年前とは打って変わりリラックスして、
マイクなしの歌声は柔らかく情感豊かに歌い上げて素晴らしかった。
臨場感あふれるドライブ感と熱気は生演奏ならではのもの。
一切手抜きなし!こんな熱のこもったライブ、そうそうは聴けない。
「超一流」とはMさんが終了後、漏らした感嘆だった。
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翌朝、帰りの一時にコーヒーを。
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