2020年12月18日 ヨウラ・ギュラーのピアノ そうね、私はベートーヴェンのソナタ(No.32)を、こんな風に弾くの。私のやり方で私を解放して自由になるの。気に入ってくれたら、あなたの音楽になるわね。音像はたおやかな流れに沿って佇む菩薩像のようで、切れ味鋭い輪郭といった目を見張る際立ちはない。音の景色は穏やかに、靄に吸い込まれていく。鞣し革のような柔らかい響きが耳になじむ。そっと近づいて去って行く美しい面影。何も言わなくていいのよ、聴いてくれてありがとう。 「クラシック」カテゴリの最新記事 < 前の記事次の記事 >